ケロロ軍曹とけものフレンズ(けもフレと原作者に対し厳しいので注意)

少年エース吉崎観音先生がケロロ軍曹けものフレンズのコラボページで謝罪をし始めてもう五回目。ケロロをやめてけもフレを描けというけもフレ側の心無い言葉には慣れ、吉崎先生へのケロロ関連の期待はますます薄れているところである。

 

ケロロけもフレに侵略されてしまっていると思う。

 

そしてその状況を許せて、楽しめている人が今一番吉崎観音ワールドを楽しめているのだろう。変な拘りを引きずってグチグチとしている私のようなやつこそ早く吉崎観音の世界から退場するべきなのだ。

 

私の場合男性キャラの公式による擬人女体化はちょっと…という程度の心の狭さであったがために、ケロロ小隊が吉崎先生の渾身の絵で真面目に擬人女体化されまず死亡している。ケロロ軍曹好きな人は原作の設定や雰囲気からしてパロや薔薇百合に寛容とかいう認識が世間的にはありそうだし、実際これまでも本編に吉崎先生の他作品キャラが出ていたりキャラの性別変化や擬人化等色々あってもあまり気にならなかったこともあって、ケロロ小隊の本気の擬人女体化にここまで拒否反応を起こした自分に正直引いたものだ。なんでそんなにダメだったのかと考え直してみると、ケロロ軍曹が直接は関係ない作品で擬人女体化をされたからかな…とも思えてきた。

近年、原作の内容に不満を持っていたというのもあったのかもしれない。最初は新ケロロがあそこまでレギュラーになり単行本丸々一冊彼の活躍で埋まり表紙すらジャックされるとは思わず疲弊。次はそこまで推されていた新ケロロがある時からガックリと登場回数減したこと。その動きが私には「既存ファンを逃したくないゴマスリ」に見えて吉崎先生の根性のなさに勝手に残念がっていた。月刊誌掲載で単行本が出るペース遅い中丸々一冊新ケロロにくれてやったのにという気持ちも強かった。やっと新ケロロ君を受け入れてこれからはケロロ小隊も六人、いやモアちゃんも入れて七人体制で応援しようと思えそうだっただけに残念だったのだ。そして新ケロロ推しが収まったかと思うと話の内容が薄味な期間が訪れ、更に巻を跨いで二十七巻辺りでやっと安定してきて、二十八巻で長編が始まって盛り上がってきた…という感想を抱きつつケロロ軍曹という作品を読んできた背景がある。ケロロ軍曹がアニケロ終了後結構ガタガタな状況にも関わらずコラボ先の擬人女体化にはそんなに力を入れるのかと。力を入れるべきところは別にあるよなと思ったのだ。

 

現在のモヤモヤポイントは何といっても導入で書いた「エース掲載のコラボページ」である。あれは本当に罪深いものだ。

軍曹さんとサーバルさんのやり取り(ケロロ軍曹のページ数が少ないことへの謝罪)が掲載された時は本当に気が狂いそうなくらい怒ったものだ。内容そのものは何ら害はないし、新ケロロ登場前の私なら微笑ましく読んだだろう。

でも今は違う。今はアニケロが終わりケロロ軍曹の展開が停滞しFLASHアニメも正直スベッた印象しか残っておらず、新ケロロ問題後から長編が始まるまでの単発回も一つ一つの内容が本当に希釈されページ数が少なくても謝罪していなかった…そんな中始まった長編で、しかもケロロ軍曹という作品にとって重要な要素がたくさん詰まっていそうな展開になったところでのページ数減と「今はけもフレで忙しいから」という謝罪ページである。あれで怒らないケロロ軍曹ファンは本当に鍛えられているなと思うし、私の信仰心の足りなさが情けなくなった。

 

今人気のけもフレ描いとけば許されるし皆ハッピーだと思っていそうな吉崎先生にも、「ケロロをやめてけもフレを描け」と平気で宣うけもフレ民にも、ここ数年の公式展開で吉崎先生を信じられなくなってしまった自分にも怒った。

 

文句は言いつつも新ケロロ問題の時は軍曹さんのケロンスターに関することが少しずつ明かされてきてドキドキして続きを読んだし、新ケロロと軍曹さんの仲の良さは微笑ましく思えていた。新ケロロ問題後のページ数が少なくなった単発回だってお気に入りの話やコマを見つけて楽しめていた。今だって久々の長編で続きがとても気になって仕方がないのに。それでもあの謝罪ページという名のけもフレ民宛ての媚びだけは許せない、許したくない。

今までページ数少なくても何も言わなかったから、まあ他にも仕事があって忙しいのかもしれないし仕方ないと思えた。でも今は…久々の長編、ケロロ軍曹のディープな部分にも触れてくれそうな展開、盛り上がっていきたい時。そこで三月から毎号「ケロロ軍曹とは関係のない作品」のキャラを登場させ「今はこの作品で忙しいからごめんね」という謝罪をされている。正直もう呆れている。長編なのにブツブツ切れててごめんなさいという気持ちは伝わらない。「けもフレ描いてる方が楽しいのでケロロ放置気味です」にしか見えない。七月号からは謝罪感すら薄れ、けもフレ民にばかり尻尾を振って楽しそうでなにより。

現にけもフレ民ばかりが大喜びじゃないか。ケロロ軍曹を手掛けた漫画家がコンセプトデザインの作品だともてはやすくせに、ケロロ軍曹自体には「読んだことない」「アニメ観てた(ファーストシーズンのみ)」「今も原作やってるの?」と言いたい放題のけもフレ民が。(全員がそうでないとはわかっています)

 

 

ここまで書いていてわかったことは、私はもうケロロ軍曹のファンすら失格であるということだけだ。

こうやって新ケロロとかに文句言ってたようなのがいたから吉崎先生はケロロから離れていってるんだろう。そりゃ楽しくないよね、ファンがそんなんじゃ。けもフレ民が吉崎先生には暖かいのだろう。吉崎先生があまり関わってなさそうな企画は純粋にケロロ軍曹だけが楽しめていいな、なんて言いながらスロットケロロ軍曹をぶん回しているようなのはもうファンではないのだと思う。

 

今のケロロ軍曹は確かにけものフレンズに侵略されていると思う。

それと同時に私はケロロ軍曹の過去の栄光に侵略されているのかもしれない。

いい歳した大人(中身は子供)になり、念願のでっかいケロロ軍曹を購入し到着を待っているところなのに、ケロロ軍曹という作品と吉崎先生への気持ちは酷いものだ。

 

 

ごめんね軍曹さん。でも吉崎先生にはまだ素直に謝れそうにない、許せるような気もしない。そんな私でも今後も単行本を買って最期まで読むことを許して。