ソシャゲで失ったもの

やめるやめる、絶対回さないと言っては断念しガチャを回すというガチャ禁と断念を繰り返して、もう3年くらい経っているかもしれない。

 

先日あるゲームでガチャのトラブルにあってしまった。

今までガチャの仕様だけは間違わない運営のゲームしかしてこなかった為、まさかユーザーから金を巻き上げる手段であるガチャで不具合を起こすゲームに出くわすとは思わなかった。好きなキャラがいる作品がそういった運営の餌食になってしまう日が来るとは思っていなかった。

補填として送られてきた1400個の石(1万円で135個くらい買える)。使った石が全部返ってきたならいいじゃないか、以前の自分ならそう思っていただろうが今回は違った。金額にして10万くらい、今まで他のゲームで回してきた額に比べたら屁でもないのに。1400個の石がポンとプレボに入っているのがどうにも虚しかった。

不具合が夜中に直されていたことを知った時は「こっちが回すだけ回してから直したんじゃないか」なんて勘ぐりをしてしまうくらい、今回の1400石には虚しさを感じてしまった。問い合わせの回答で「補填したから対応はおしまい」とばかり言ってくることにも異様に腹が立った。石を配ればいいだろという姿勢、好きなキャラと作品を作り出したブランドが金を巻き上げる装置すらまともに設営できない会社にしかソシャゲ運営を頼めないという現状、もう色んな事に怒っていた。

しまいには怒りに任せて消費者センターに電話までしている。消費者センターのおじさんが結構熱心でクレジットカード会社の方にも掛け合ってくれたりとありがたかった、返金とまではならないだろうという結論にはなったけれど。

 

クレジットカード会社に抗弁書を提出したらまだ可能性はあるかも、とまで話が進んだところでふと。

ソシャゲにそこまで労力を費やすのか、と思ってしまった。遂に。

今まで目を逸らしていたことかもしれない領域に遂に踏み込んだ気分だった。

恥ずかしい話、ここ4年くらいはずっとソシャゲ中心の生活をしていた。朝起きたらまずログインしてボーナス貰って、スタミナ消費して。関心ごとが専らソシャゲ関連になりガチャ更新イベント更新が日々の仕事の支えになっているような生活。それによる人との繋がりが増えたことは嬉しいけれどここ数年の自分は中身があったのだろうか。

毎日の生活の中心にするまで、運営側の不具合があった時に消費者センターに駆け込んだりカード会社に抗弁書を提出しようとするまで、そうまでするほどソシャゲ漬けな生き方に中身なんかないんじゃないか。急にソシャゲに全力で、マジになっている自分が情けなくなってしまった。

 

課金をしない人、ソシャゲをやらない人生を送っている人には一生理解できないかもしれない、でもそれでいい。それくらいつまらない、馬鹿げた人生を送っているのが私なのだから。

ソシャゲにここまでのめり込む程度の低さもさることながら、自分の程度の低さに気づくきっかけとなった出来事が運営側の不具合という、もうしょーもない人生のテンプレだ。

ソシャゲ課金で失ったもの。お金、時間、人生…人間性?価値観?なんだろう。

お金はいつか何とかなる。生きて仕事さえしていれば10万円くらい何とかなる。でもよく言われているように時間は戻ってこない。そしてソシャゲ中心で生活することにより出来上がる虚しい生き方、考え方っていうものはなかなか治せない。

 

ここにきてようやく、確率でしか好きなキャラが手に入らないことがおかしいと気づけたのかもしれない。気づけた、というより目を逸らさなくなったのか。

ソシャゲに課金をしない生活。どんな生活だったか、何が楽しくて生きていたのか思い出せない。確かにそういう時期があったのだけれど。モバマス1年目、招待千早の辺りとか。

これまでなかなか課金断ちできなかった理由に、課金をしなくなったら日々何をしていればいいのか分からなくなるからできないというのもあったのかもしれない。現に今ほとんどのゲームを消して半日過ごしたけれど何もやる気が起きなかった。一応PS3はあるし、テレビだって色々やってるのに。ソシャゲ課金をやめたら日々の過ごし方すら分からない。失ったものはお金より時間より大きなものだ。

 

ソシャゲに費やしてきた日々を思い返している。手元にはソシャゲアプリを殆ど消したiPad、これもまたデレステやら何やらを気持ちよくやろうという意図で買ったもの。

こんなこと絶対に親に言えないけれど、ここ数年の私にとってソシャゲは人生そのものだった。その事実が本当に悲しい、虚しい。

 

 

無駄遣いするといけないから、とそれらしい理由をつけて親にクレジットカードを預ける20代の娘。この世の終わりの光景だと思う。ゲームそのものより人との繋がりが主になったアプリを一つだけiPad内に残しているのもまた、どうしようもなさを感じる。

課金せずともソシャゲである程度遊び生きていた頃に戻りたい。ソシャゲに生活を合わせなかった頃に。